し ま や し ょ う て ん
志 満 屋 商 店
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[ スズメバチの種類 ]
スズメバチは,日本に3属16種が生息しています。
スズメバチ属7種のうち,オオスズメバチ,キイロスズメバチ,コガタスズメバチ,モンスズメバチ,ヒメスズメバチおよびチャイロスズメバチの6種が、西南日本暖地の低山地から平地にかけて同所的に生息しています。
刺傷被害を防ぐために、知っておきたいスズメバチの種類
<オオスズメバチ>
Vespa mandarinia

スズメバチ類の中で最も大型のハチ(世界最大)で、体長は女王バチが40〜45mm、働きバチが27〜40mm、オスバチが35〜40mm。東アジア、および日本の北海道から九州に分布しており、南限は屋久島、種子島近辺。コガネムシやカミキリムシといった大型の甲虫類、あるいはスズメガなどの大型のイモムシ等を捕らえるほか、これらの大型昆虫が減少し、また大量の雄蜂と新女王蜂を養育しなければならない秋口には攻撃性が非常に高まり、スズメバチ類としては例外的に、集団でミツバチやキイロスズメバチといった巨大なコロニーを形成する社会性の蜂の巣を襲撃する。
樹液を 吸うオオスズメバチ
<キイロスズメバチ>
Vespa simillima

本州、四国、九州や朝鮮半島に分布する。体長は女王バチが25〜28mm, 働きバチが17〜24mm, オスバチが28mmで、日本に広く分布する5種のスズメバチ属のハチの中では最も小型である。攻撃性が非常に高く、巣の近くを通っただけで攻撃されることもある。特に一旦刺激を受けた巣では攻撃性が増して危険である。スズメバチ類の刺傷例では本種によるものが最も多い。営巣初期は樹洞などの閉鎖空間に巣を作るが、巣が大きくなると軒下や樹木の枝などの解放空間に引越巣を作成する。都会に最もよく適応し、市街地でも見られる。巣は日本に生息するスズメバチの中では最大規模で、直径は30-80cmで時に1m、育房数6,000-8,000で、時に1万以上。働き蜂・雄蜂とも数百から千匹以上、新女王は200-800匹。活動期間は5-11月、個体数は9-10月に最大となり、人の刺傷例も秋に最も多い。
アブラゼミの死骸を噛み取るキイロスズメバチ
<コガタスズメバチ>
Vespa analis Fabricius

スズメバチ属の主な5種の中では中型のハチである。体長は女王バチが25〜30mm、働きバチが22〜28mm、 オスバチが23〜27mm。中型以下の昆虫を餌とする。特に他の蜂のよく集まる虫媒花で待機し、ハナバチなどを襲って胸部の筋肉を肉団子にし、巣に持ち帰ることが多い。攻撃性はあまり高くないが、巣に直接刺激を与えると激しく反撃するため、剪定作業中に巣を刺激して被害に遭うケースがしばしば見られる。営巣場所と餌の種類に柔軟性があるため、キイロスズメバチと並んで都会でよく適応している。
<モンスズメバチ>
Vespa crabro

コガタスズメバチに近い大きさの中型のスズメバチで、体長は女王バチが28〜30mm、働きバチとオスバチは21〜28mm。ヨーロッパから日本まで幅広く分布している。天井裏や樹洞といった閉鎖空間に外被の下部が大きく開口した巣を作る。攻撃性はやや強い。腹部の黄色と黒の縞模様は波形をしており、変異が大きい。幼虫のおもな餌はセミで、その他バッタやトンボなどの大型昆虫も餌にする。日本では初夏のハルゼミから初秋のツクツクボウシまで営巣期を通じて多様なセミを狩猟できる環境でないと生息できないため、近年減少している。ヨーロッパにおいて蜂を獲物とする大型のスズメバチはこの種のみである上に、蜂を襲うことも稀であるため、セイヨウミツバチにはスズメバチ類の狩猟に対抗する行動の進化が見られなかったと考えられている。スズメバチ属としては珍しく夜間も活動するのが特徴で、駆除業者から嫌がられるハチである。

<ヒメスズメバチ>
Vespa ducalis

オオスズメバチに次ぐ大型のスズメバチで、体長は24〜37mm。尾部が黒いことから他種のスズメバチと区別が付けられる。都会でもよく見られるスズメバチだが、攻撃性は大型のスズメバチ属の中で最も弱く、毒性もそれほど強くない。土中、樹洞、屋根裏等の閉鎖空間に巣を作るが、営巣規模は他のスズメバチに比べはるかに小さく、働きバチの数は全盛期でも数十匹程度である。一般的なスズメバチは、サイズが女王蜂>オス蜂>働き蜂の順だが、ヒメスズメバチには特に差は見られない。ヒメスズメバチの幼虫は基本的にアシナガバチ類のさなぎや幼虫のみを餌とするため、成虫はアシナガバチの巣を襲って幼虫やさなぎを狩る。このとき、他のスズメバチ類のように筋肉部分だけを切り取って肉団子にするのではなく、噛み砕いた獲物の体液を?嚢(そのう)に収めて巣に持ち帰り幼虫に与える。また、キイロスズメバチやコガタスズメバチなどの巣を襲ってそれらの幼虫やさなぎを狩る様子も観察されている。
<チャイロスズメバチ>
Vespa dybowskii

体長17-27mm、全身が黒-茶色の深い色に覆われている。 北方系の種で、日本では中部地方以北に生息している。個体数は少なく「幻のスズメバチ」と呼ばれることもある。モンスズメバチ、キイロスズメバチ等の巣を乗っ取ることから「社会寄生性スズメバチ」と呼ばれている。他のスズメバチより遅めに冬眠からさめた女王蜂は、女王蜂しかいない他のスズメバチの初期の巣を襲い、相手の女王蜂を刺し殺す。その後、自分の働き蜂が羽化するまで、乗っ取った巣の働き蜂に働いてもらう。発達したキチン質の外皮を持ち、キイロスズメバチは勿論、オオスズメバチの大顎や毒針でも容易には貫通できない防御力を有している。
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